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廃炉環境国際共同研究センター; 北海道大学*
JAEA-Review 2020-054, 72 Pages, 2021/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、「高い流動性および陰イオン核種保持性を有するアルカリ刺激材料の探索と様々な放射性廃棄物の安全で効果的な固化」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究の目的は、溜まり水処理過程で発生した放射性廃棄物の中でも鉄沈殿物を検討対象とし、安全な保管と処分を可能とする高い陰イオン核種保持性や流動性のアルカリ刺激材料とそのレシピの探索し、実プラントとして成立する固化体製作装置の概念を提案することである。本年度の検討の結果、K系アルカリ刺激材料は流動性が高くて硬化も早く、銀イオンを混入させることでヨウ化物イオン保持性の高い固化体を作製できる可能性を有していることが明らかとなった。